
自宅で介護していると、最初はお互い遠慮があっても慣れてくるうちに不平不満が出てきてイライラすることが起きるようになるでしょう。
しかし、自宅介護をしていればそれは当然のこと。
じつは身内の介護は、相手が身近な存在だからこそ疲れてしまう原因があるのです。
身内は気安さがある
家族は身内ですから、介護される側も介護する側も気安く接することができますよね。
しかし、その気安さが時には双方の関係をギクシャクさせてしまうことがあります。
なぜでしょうか?
それは、気安さとはリラックスできるという利点もありますが、お互い言いたい事を我慢せずにぶつけあってしまうことでもあるからです。
※たとえば食事の時・・

煮物の味付けが良くないよ。美味しくないわ

せっかく作ったのに!自分で作れないなら文句言わないで!

じゃあ、作っていらないよ!
まさに売り言葉に買い言葉・・。
本当はこんなことまで言いたくないのに、身内という気安さからついつい言い過ぎてしまうことに。
他人の場合は遠慮がちになる
身内同士は気安さから、ぶつかりあうことがあっても、他人の場合はその傾向がグッと減ります。
たとえば、施設のスタッフは他人なので遠慮する気持ちが働くため、要介護者は家族ほどには不平不満をぶつけません。

お食事の味はどうですか?

まあ、ちょっと濃いけど、食べれますよ
このように施設のスタッフなどは他人ですから本人も家族の時のように不平不満のすべてをぶつけません。
身内は以前を知っているから辛い
身内の介護はさらに大きな問題点があります。
それは、本人(要介護者)の以前の様子を家族は詳しく知っているために辛さが増すとういことです。

トイレがどこかわからない・・

あの、しっかり者のお母さんがトイレもわからなくなるなんて・・
このように家族は本人の以前の様子や性格を知っているからこそ、変わっていく姿をみるのが辛くなります。
他人は以前を知らないから冷静
本人の過去を知っている家族と違い、他人である施設のスタッフは以前のことを何も知りません。
そのため、仕事と割り切り、冷静に対応することができます。

トイレがわからない・・

大丈夫ですよ!トイレはこちらですよ~
このように、施設のスタッフは、今の本人の状況しか知らないため、よけいな感情が入ることなく対応することができます。
家族とプロはちがう
介護施設のスタッフはプロです。
家族と介護のプロは違います。
自宅では気難しい本人を、他人である介護スタッフが上手に相手をしているのを見ても気にすることはありません。
そもそも家族は介護のプロになることはないのです。
家族だけが本人に与えてあげることができるものがあります。
それは・・
■安心感
■何でも言える気安さ
この2つです。
確かにこの2つは身内の介護を疲れさせてしまう点でもありますが、裏を返せばとても貴重で大切なことでもあるのです。
自分ができることをする
介護はさまざまな人たちの連携プレーで支えあうもの。
ケアマネージャー、ヘルパー、介護施設のスタッフだからこそできることがあれば、家族にしかできないこともあります。
ですから、自分ができる範囲内で十分という気持ちを持ちましょう。
そして・・
■介護は身内だからこそ疲れる
ということは当たり前のことだと納得しましょう。
深刻に悩みすぎないようにすることが大切なのです。