
2000年に介護保険制度がスタートし、もはや介護は自宅だけで行うものではなく、社会全体で支えあう時代になりました。
しかし、
■増加する高齢者の数
■介護保険制度の財源不足
これらの問題があり、介護保険サービスの助けを借りることができても、実際は身内の中で中心となる介護者に多くの負担がかかっているのが実状です。
また、現代の少子化も介護の負担に拍車をかけているでしょう。
高齢者が増加しているのに対して、介護する側は少なくなってしまいました。
どうしても主な介護者(中心になって介護する人)だけに負担が集中しがちになります。
しかし、介護は大変ですから、ひとりで何もかも背負いきることはできません。
できるだけ介護疲れしないよう、上手にこなしていくには周りの期待に応えようと無理しないことが大切なのです。
では、くわしくみていきましょう。
できる介護者を演じると損をする
護が大変なことだと頭でわかっていても実際にやってみなければその大変さは実感できません。
そのため、介護者が周りに対して「できる介護者」でいようと無理して演じてしまうと誤解されてしまうことがあります。
※できる介護者を演じると・・
●いつも笑顔でグチをこぼさない
●要介護者とうまくいっているように見える
●介護はいつも完璧


※勘違いしてしまう身内
●お姉さんはもともとお母さんと仲良かったからね
●もともと介護に向いてるんだね


※その結果
●できて当たり前だと思われてしまう
●感謝されなくなる
●さらにドンドン押し付けられる

このように、周りの期待に応えようとするあまり、「できる介護者」を演じてしまうとさらに負担は重くなり、介護疲れはいっそう大きくなっていきます。
弱音を吐ける介護者になる
他の人に自分の苦しさをわかってもらうためには素直に弱音を吐く必要があります。
※素直に助けを求める
●「疲れた」とグチをこぼす
●「助けてほしい」と訴える
●できないことは介護保険サービスを積極的に利用する


※実状を把握する身内
●お姉さんすごく疲れているみたい
●介護って大変なんだなぁ


※その結果
●感謝される
●手助けしてもらえる
●介護の負担がラクになる

このように、素直に弱音を吐くことで、周囲に介護の大変さが伝わります。
そして、感謝や手助けをもらえることで介護の負担をラクすることができるのです。
「できる介護者」を演じると本人ともうまくいかなくなる
介護とは、「介護される側と介護する側」がいて成立します。
そこには、どちらの立場が上とか下とかはありません。
しかし、周りの期待に応えようと頑張りすぎてしまう介護者の心の中では・・
「介護される側は弱者だから、介護する側は優しく接してあげなければならない」
このように思ってしまいがちです。
ですが、
介護者だって疲れます。
介護者だって腹が立ちます。
ずっと笑顔でいることなんてできるわけがありません。
それなのに、無理やり笑顔を作って介護にあたれば、それは本人(介護される側)も気がついてしまうものです。

イヤな思いをしているのは私のせいね・・
このように、本人も居心地が悪くなり、介護者が無理をしているのは自分のせいだと感じてしまうことになります。
介護者は自然体でいることが大切
介護は人間関係が全てです。
どんなに介護の作業を完璧にこなしても、本人との関係がギクシャクしていては良い結果は生まれません。
ですから、介護される側と介護する側の双方がラクになるためにも、できるだけ自然体でいましょう。
「いい格好」ばかりではなく、たまには本音をぶちまけてみることも大切なのです。
期待に応えようと無理をして、自分を追い詰めないようにしてください。