
介護者がひとりで負担を背負っている場合、他の家族の態度に対してマイナスに考えがちです。
■ひとりで頑張っているのに誰も感謝してくれない
■手伝わないくせに口は出してくる
このように周囲に対して理不尽に感じてしまい、介護者は苛立ちと不満が多くたまります。
このような時は、視点を変えてそれぞれの立場になったつもりで見つめなおしてみましょう。
「してあげている」という発想から離れる
私たちは、相手に何かを「してあげている」と思った瞬間から見返りを求めます。
たとえば、あなたが友達に、自分が読んで面白かった本を貸したとしましょう、
しばらくして、相手が本を返してきましたが、その時にお礼の言葉がなかったらどう思いますか?

せっかく貸してあげたのに!お礼のひと言もないのかよ
このように相手からお礼の言葉がなかったことに不満がでますよね。
この不満は「本を貸してあげた」、つまり相手に対して「~してあげた」と思っていたことに原因があります。
このような不満を抱かないためには、発想の転換が必要です。
※相手に頼まれてなく、自分から貸したことに焦点をあてる

そうか、僕が面白いからって勝手に貸したからかもしれないな
このように相手に対して「~してあげている、~してあげた」という気持ちから離れるには発想の転換が大切です。
ほんの些細なことですが、この些細な発想の転換ができる人とできない人ではストレスのたまり方が大きく違ってきます。
では、介護について、家族の不満に対してはどのように発想を転換していけば良いのでしょうか?
それぞれ本人の立場になったつもりになる
他人の考えていることはわかりません。
しかし、相手の立場になったつもりでシミュレーションすることはできます。
◆相手から感謝の言葉がもらえないとき・・

介護は私ひとりでするのが当然だと思っているのかしら!

※相手が口下手なことに焦点をあてる

お父さんは昔から口下手だったわ・・そうか、だからかもしれない
◆介護を手伝ってもらえないとき

少しくらい手伝ってくれてもいいのに!

※相手が就職活動中で精一杯なことに焦点をあてる

そういえば、あいつは今、職探しで大変なんだよな・・
このように、相手の性格、状況に焦点を合わせて見つめなおしてみましょう。
今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。
仕事に置き換えてみる
介護では理不尽だと感じることがたくさんおこります。
しかし、それは介護だけではありません。
外で働いていても理不尽なことはたくさんおこるものですよね。
確かに、介護は外の仕事とちがって報酬がありません。
ですが、ときには介護を仕事と割り切ることで気持ちが落ち着くことがあります。
視点を変えるだけで違ってみえる
私たちは他人や物事を、
■自分が感じたいように
見ているのにすぎません。
つまり、他人のことを自分が感じたいように見るには、自分自身の視点を変えるしかありません。
でなければ、どうあがいても他人を変えることはできないのです。
「他人は自分を映す鏡」
周囲に対して苛立ちや不満でいっぱいになるとき、視点を少しだけでも良いので変えてみてください。
それには一歩引いて、広い視野から眺めなおしてみることが大切なのです。