
介護保険サービスを利用するにあたり、大きなキーパーソンとなるのがケアマネージャーの存在です。
そして・・
介護保険サービスをスタートさせる時に、本人と最初の交流を行うのもケアマネージャーです。
ですから、本人が介護保険サービスを嫌がる場合、まずどのようなケアマネージャーに依頼するのか?もしくは依頼しているのか?
ということが、大きな問題になってきます。
それは、ケアマネージャーという仕事が、ただたんに表面的な介護保険制度のコーディネートをするだけでなく、本人と家族の心理的な部分もサポートする幅広い専門職だからです。
まずは、本人と家族が信頼できるケアマネージャーを選ぶこと。
これが、介護保険サービスを円滑に利用していく大きなポイントになります。
ケアマネージャーとは
では、ケアマネージャーとは具体的にどのような専門職でしょうか?
ケアマネージャーは介護支援専門員と呼ばれ、介護保険の利用者がサービスを受けるためのさまざまなコーディネートをしてくれる人です。
【ケアマネージャーの仕事】
■ケアプランの作成
■サービス利用料の計算
■介護保険の給付管理
■サービス提供業者との橋渡し
■ケアプランの管理
■サービス担当者会議の主催
このように、ケアマネージャーとは、直接介護はせず、利用者が円滑に介護保険サービスを利用できるように支えてあげるのが役割となります。
ケアマネージャーは人柄が大切
ケアマネージャーは居宅介護支援事業者に所属している場合が多く、通院している病院にかかりつけのケアマネージャーがいればそのまま依頼してしまう家族が多いようです。
しかし、ケアマネージャーとはその場限りの付き合いではありません。
介護保険サービスを利用している間、ずっとお世話になっていく人です。
さらに、介護は現状のまま維持することは難しく、常に変化していくものですから、その都度、状況にあった適切な判断をしてもらわなければいけません。
そのためにも、もちろん、ケアマネージャーとしての経験や力量も重要ですが、何よりも、人柄を重視することが大切です。
ケアマネージャーと本人の相性
ケアマネージャーを選ぶときに一番重視したいのは人柄ですが、何よりも介護を受ける本人との相性が合わなければいけません。
それには、本人の気持ちになって考えてくれる人であることが大切です。
たとえば、高齢者によっては、「おじいちゃん」、「おばあちゃん」と呼ばれることに嫌悪感を持つ人も少なくありません。
私たちは親近感を込めたつもりで、ついつい、自分の祖父母のように呼んでしまうことがありますよね。
しかし、嫌悪感を抱かれてしまうのはなぜでしょうか?
では、ここで質問します。
※あなたは「老人」という言葉にどのようなイメージをもっていますか?

衰えてシワシワになる、病気がちで身体が弱い
そうですね。
このように一般的には老人という言葉に対して良いイメージはほとんど浮かびません。
つまり、「老人=弱者」というイメージがあります。
ですから、高齢者によっては、自分が他人から「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ばれると、弱者と見下されていると感じてしまう人が少なくありません。
とくに、一家を支えてきたという自信を持っている人はこのようなプライドがあります。
ケアマネージャーは介護保険サービスの利用で本人が初めて交流する他人です。
ですから、
高齢者特有の考え方、そして個人個人の性格などを深く考慮して、向き合ってくれる人でなければいけません。
合わないときはケアマネージャーの変更を考える
ケアマネージャーは介護保険を利用する本人と家族を支えてくれる重要な人です。
もしも、合わないと感じた場合は変更することも考えましょう。
ケアプランの作成と、プランが実際にうまく機能するかどうかは、ケアマネージャーの手腕にかかっています。
ではどのようなケアマネージャーに注意する必要があるでしょうか?
【変更を考えたいケアマネージャー】
■自分が提案するプランばかり押し付けてくる
■本人と家族の話にあまり耳を傾けてくれない
■希望を出しても自分の提案に固執する
■プランの説明がわかりにくい
■所属する事業者に有益なサービスばかり提案してくる
■なかなか連絡がとれない
■サービス事業者と利用者の連携がうまくできない
このようなケアマネージャーでは本人と家族に適した介護保険サービスを受けることができません。
思い切って変更をすることを選択しましょう。
しかし、面と向かって、「あなたとは合いません。変更お願いします」とは言いにくいですよね。
そのような場合は、事業者に電話をしましょう。

今のケアマネさんと相性が合わないので、申し訳ないですが変更をお願いします
このように事業者に電話で伝えれば角が立たずにスムーズに変更してもらえます。
もしかしたら同じ事業者に相性の合うケアマネージャーさんがいるかもしれませんし、それでもダメな時は事業者そのものを変更することも可能です。
ケアマネージャーや事業者の変更は介護保険制度で定められていることなので、遠慮せずに行動に移すようにしましょう。
信頼できるケアマネージャーと共に
このように、介護保険サービスのキーパーソンになるケアマネージャーは慎重に選ぶようにしましょう。
信頼できるケアマネージャーとの出会いが、介護保険サービスを円滑に利用できる決め手になります。
介護はいつ終わるかわかりません。
ですからケアマネージャーと長い付き合いになることが多々あります。
介護される本人の想い、そして、家族の想いを、できるだけ深く汲み取ってくれるケアマネージャーを選びましょう。