
認知症はとても難しい診断となります。
まずは、
うつ病なのか?
認知症なのか?
さらに認知症とわかった場合でも、
どのタイプの病気が原因なのか?
ひとつのタイプか?複数のタイプが合併しているのか?
これらのことを医師に正しく診断してもらう必要があります。
そのためには認知症の専門科を受診すること。
そして、もうひとつ大切なことが「受診前の準備」です。
では、くわしくみていきましょう。
認知症の診断は細かい情報が重要
地域包括センターなど、認知症の無料相談に行くときには本人の日々の記録を持っていくと適切なアドバイスがもらえます。
(参考記事)
そして、いよいよ認知症の専門医院を受診するときは、さらにくわしく本人の情報を記録したメモを持っていくことをおすすめします。
以下の項目に分けて書き出してみましょう。
◆準備するメモ内容例
発症に気づいた時期 | ■半年前くらい |
---|---|
日常の変化 | ■食事をしたことを忘れる時がある ■外出を嫌がるようになった ■夜中に起き出す ■ひとりで何もせずボーとしていることがある |
人格の変化 | ■明るくおしゃべりだったのに、あまりしゃべらなくなった |
心理状態 | ■時々イライラしている ■夕方近くになると落ち込む感じがある |
これまでと現在の病気 | ■2年前に白内障の手術 ■現在は喘息で定期的に通院中 |
家族構成 | ■本人と娘夫婦と孫ふたり(5人家族) |
仕事 | ■無職 |
性格 | ■穏やかで明るい ■人に好かれ、友達も多い方 |
趣味 | ■ちぎり絵 ■カラオケ |
メモの情報は、とくに日常、人格、心理状態の変化はできるだけ詳しく書きましょう。
受診には家族が付き添う
病院は本人ひとりではなく、家族も一緒に付き添いましょう。
本人ひとりでは、
どのようなことをされるのか?
どのような診断結果がでるのか?
それは非常に不安なものです。

お母さん!大丈夫よ!私がついているからね。

ええ、頼むわね
一緒に付き添い安心感を与え、本人ができるだけ気分良い状態で受診できるようにしてあげましょう。
また、状況をくわしく説明するためにも客観的にみている家族の意見が重要です。
そのためにも、家族の中で、本人にもっとも近くにいて詳しく知っている人が付き添ってあげましょう。
医師にメモをわたす
準備しておいたメモは、口頭で伝えるのではなく、診察が始まる前に医師に渡します。
そうすることで、医師の質問に対する本人の答えがあやふやだったり、間違っているときも、余計な口を挟まなくてすむからです。
認知症は問診がとても大切です。
ですから、付添い人である家族は、医師から質問されるまでは黙っているようにしましょう。
質問を受けた場合には、客観的にみた情報をしっかりと補足説明します。
そのあとの家族会議に向けて
もしも、認知症と診断された場合、介護によるサポートが始まります。
親族と今後の介護について家族会議を開く場合は、その時に向けて医師の診断を録音させてもらうのも良いでしょう。
しかし、それにはきちんと医師の許可を得てからおこなってください。
準備をしておくと心に余裕がもてる
病院への受診はとても緊張するものです。
ですが、医師に正しく診断してもらうためには、あせらずに正確に情報を伝えなければいけません。
そのためにも事前にゆっくりと落ち着いて、本人の情報をメモに書き出しておきましょう。
そのメモを医師に渡せば、あとは補足説明で済むので気分的にも余裕を持つことができます。
また、本人の心理状態も、ぜひその立場になって考えてみてあげてください。
不安、恐怖・・これらの思いが計り知れないほど大きくなっているはずです。
少しでも不安や恐怖心がが軽くなるように、側に付き添い、明るく励ましてあげましょう。