
老化の物忘れとはちがう、すっぽりと出来事を忘れてしまう物忘れ。
普段とはあきらかにちがう行動や言葉使い。
そして、うつだけとはいえない症状。
これらの異変がみられた場合は、認知症の治療を早く始めるためにもすぐに対処に入る必要があります。
では、どうすればいいのかみていきましょう。
誰に相談すれば良いのか?

お母さん、もしかして認知症かしら・・・
このように疑いをもったとき、まずどうすれば良いのでしょうか?
真っ先にすることは、他の家族に相談することです。
そして、次に兄弟や親戚、何でも話せる親しい友人に認知症の家族をもっている人がいるならば相談してみましょう。
実際に、認知症の家族をもつ人は心強いアドバイザーとなってくれます。
物忘れの状況、普段とはちがう行動や、変わってしまった言葉使いなど・・・
些細なことでも打ち明けてみましょう。
気づくことがなかったその他の異変もあきらかになるかもしれません。
公的無料相談へ

やっぱり認知症かもしれない・・・
身内に相談して、「やっぱり認知症かも」と判断したとき、まずは焦らないようにしましょう。
家族が認知症かもしれない・・
というのはとてもデリケートな問題です。
ですから、次に相談するのは、公的機関が良いでしょう。
相談とは、我が家の問題や情報を外側に向けてオープンにするということです。
「うちの親が認知症かもしれなくて・・」
このようなプライベートな相談はまず公的な機関のほうがリスクが少なくすむもの。
各市町村の保健所、地域包括センターなどの無料相談窓口に問い合わせてみましょう。
わからない場合は、とりあえず役所に。
役所にはどこに相談すれば良いか聞くこともできますし、関連の情報ガイドなども置いてあります。
また、定期的に配られる市報などにも案内が載っていることがあるのでよく目を通すようにしましょう。
記録をもとに相談する
家族が認知症かもしれない・・
という悩みはどうしても心が落ち着かないものです。
正確に情報を伝えて、的確なアドバイスをもらうための準備をしておきましょう。
それには異変を感じた状況を記録してメモしておくことです。
◆状態の記録メモ
物忘れ | ■食事をしたことを忘れることがある。 ■洗濯を干してと頼んでおいたのに「覚えがない」と言われた。 ■コンロの火がつけっぱなしだったことがある。 |
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行動 | ■いつもの散歩に出かけて道に迷い遅く帰ってきた。 ■靴下を反対に履いていた。 ■外出を嫌がるようになった。 |
言葉使い | ■なんだかイライラしている。 ■すぐにふてくされてしゃべらなくなる。 ■あまり笑わなくなった。 |
このような日々の異変を記録したメモを持参しましょう。
メモを見ながら相談をすれば、落ち着いて状態を伝えることができます。
認知症のことを情報収集する
地域包括センターなどの相談窓口では、病院や介護サービスの情報も教えてもらえます。
しかし、認知症がどんな病気なのか?
どんなケアをこれからしていったら良いのか?
それらのことについて詳しく深く知っておくことはとても重要です。
かといってあまり気合いを入れすぎても良くありません。
認知症の介護は家族だけではなく、外部の支援を頼ってこそ成り立つものなのです。