
認知症の発見が遅れてしまうと、その後の介護が大きく影響を受けます。実際に発見が遅れてしまい、介護の大きな重圧に後悔している人も少なくありません。
なぜ、早期発見がそれほどまでに重要なのでしょうか?
そして・・
なぜ、早期発見が遅れてしまいがちになるのでしょうか?
では、くわしくみていきましょう。
認知症は進行を遅らせることが可能
今では「認知症」という言葉を聞いたことがない人はいないでしょう。
多くの認知症関連の本が出版され、またテレビなどのマスメディアも多くの情報を流すようになりました。
認知症の増加に合わせて、早期発見の大切さが叫ばれています。
なぜなら、早期発見であれば進行を大幅に遅らせることが可能だからです。
認知症はさまざまな病気が原因になって起こりますが、その半数はアルツハイマー型と呼ばれるもの。
現在、アルツハイマー型には進行を遅らせる薬があります。
初期の頃であれば、薬によって何と進行を50%も遅らせることが可能なのです。
進行を遅らせることができれば、認知症の周辺症状が起こる確率を減らすこともできます。
つまり、その後の介護をグッと楽にすることができるということなのです。
気がつきにくい症状
アルツハイマー型の認知症はとにかく早く治療に入ることが重要です。
しかし、認知症患者の共通点として、自分から気づいて病院に行く人はほとんどいません。
そのため、早期発見には周りの家族の気づきが必要となるのです。
じつは本人も自分の体の中で起こっている異変には少なからず気づいている場合が多いのですが・・

へんね~。最近なんだか人の名前が出てこないわ・・
この程度のことならば本人は「年のせい」だと片付けてしまうでしょう。
それは家族も同じです。

お母さんも年なのね~物忘れがひどくなってきている・・
このように家族が気づいても、やはり「年のせい」と片付けてしまいがちに。
これが認知症の早期発見を遅らせてしまう最大の原因といえるでしょう。
「知っているつもり」が足を引っ張る
近年、認知症の増加は世界規模で大きな問題となってきました。
しかも、日本は超高齢化社会に入り、認知症問題により大きな関心が集まっています。
各マスメディアは、テレビなどで多くの情報を流すようになりました。
ですから、一般の人にも高齢になると「誰でも認知症になるリスクがある」ということが浸透しつつあります。
しかし、それはまだまだ上辺だけの情報にとどまっているのが現状ではないでしょうか?
たとえば・・
「認知症ってなんですか?」と質問されて多くの人は、
「記憶がなくなってきて、今までできていたことができなくなること」
と、答えることができるでしょう。
しかし・・・
「どうして記憶がなくなってしまうのですか?」
と、質問されると・・・

それは・・たぶん高齢で脳が萎縮するから・・
さらに・・・
「誰でもそうなるのですか?なりやすい人はいるのですか?」

さぁ~・・そこまでは知らないなぁ・・
このように多くの人は、実際に自分や周りに起こっていないことについては本気になって関心を示しません。
そのため、テレビなどで認知症の情報をサラッと見ただけで、「知っているつもり」になってしまうのです。
これでは認知症を早期発見をすることはできません。
なぜなら、実際の認知症の初期症状はとても見逃しやすく気づきにくいものだからです。
早期発見のために正しい知識を
認知症を早期発見するためには、認知症を深く知ることが大切。
■どうして認知症になるのか?
■初期症状はどんなことが起こるのか?
まず、この2点を知っていることが重要です。
あきらかに誰がみても「これは認知症だ」とわかるくらいになってからでは、その後の治療の効果が大きく変わってしまうでしょう。

あの時に気づいておくべきだった・・
と後悔しないためにも、しっかりと認知症の正しい知識を頭に入れておきましょう。
とうとう超高齢化社会に入った日本。
これからますます高齢者の割合は増加していきます。
今や認知症は、実際に自分や家族に起こる身近な病気だと危機意識をもつことが大切なのです。