介護と仕事の両立を考える

介護は想像以上に大変なことです。

そのため、親の介護が始まると同時に仕事をやめる人もいます。

ですが、あなたの人生はどの時間、どの瞬間であってもあなただけのもの。

介護のために自分の大切なライフワークを犠牲にすることはおすすめできません。

どうしてなのか?

では、介護と仕事の両立についてくわしくみていきましょう。

介護という仕事は結果が見えない

介護のために仕事をやめれば時間的に余裕ができるでしょう。

しかし、気持ちにも余裕ができるでしょうか?

無理でしょう。

ずっと仕事を続け、それをライフワークにしてきた人にとって仕事はただ単に収入を得るためだけではありません。

働くことで外の空気に触れ、さまざまな良い刺激を得ていたはずです。

そのように毎日、仕事をしてきた人がいきなり介護の仕事に専念するとどうなるでしょうか?

介護は仕事のように結果というものがありません。

そしていつ終わるのかもわからないのです。

人が本当に疲れるのは精神的なこと

疲労には、肉体的疲労と精神的疲労があります。

ですが、人を本当に芯から疲れさせてしまうのは精神的なこと。

たとえば、あなたが何か大変な仕事を任され、必死にそれをこなすことで大きな成果が出た。

このような時、肉体的な疲労を感じても気持ち良く感じるでしょう。


介護者(ほ)

大変だったけどお客様に喜んでもらえて良かった!


介護者(泣く)

怒られてしまった・・必死に頑張ったのに・・

このような時、ズシッと肉体的疲労がのしかかるでしょう。

人は、物事をするのにどうしても結果を求めますから、成果が得られないと精神的な疲労がたまります。

そして、たまった精神的疲労が肉体的疲労をグッと重くさせるのです。

確かに仕事をやめて介護にあてる時間がたくさんあれば、肉低的な疲労は減るでしょう。

しかし、成果の見えない介護に精神的疲労が大きくのしかかるため、実際は非常に疲れてしまうことになるのです。

やめる前にあらゆる手段を

仕事をやめる前に、なんとか続けていけることはできないのか?

あらゆる手段を考えましょう。

介護休暇制度の利用、労働パターンの変更、勤務地の変更、または負担の軽い仕事に転職するなど・・。

試行錯誤して何とか仕事を続けていけれるよう、あきらめないことです。

それには、主たる介護人は家族会議でしっかりと自分の意見を周りに伝えること。

遠慮して自分の大切なライフワークを犠牲にしてはいけません。

介護保険をとことん使う

ケアマネージャーと相談して、少しでも仕事を続けていくことができるケアプランを考えてもらいましょう。

たとえば、デイサービスの最長時間を利用、さらに延長サービスを受けたり。

朝、出勤前にデイサービスの迎えが来るのならば、ヘルパーさんに頼んで送り出してもらうという手段もあります。

介護保険も施行されてから年月が経ち、さまざまな介護サービスを上手に組み合わせることで仕事を続けられる体制が整いつつあります。

まずはプロであるケアマネージャーに遠慮なく相談してみましょう。

金銭面でも仕事をやめるべきではない

認知症の介護は「今現在の状態のまま」ということはありません。

在宅でもじょじょに見守り続けていくことが困難になってきます。

また、認知症の周辺症状が進行すると、家族よりも仕事だと割り切って対応してくれるプロに任せた方が良い段階になるでしょう。

つまり身内で介護する限界がやってきます。

介護はなにかとお金がかかるものであり、施設入所になると一気に支出が増えることになるでしょう。

そのようなとき継続してきた収入があるというのは、精神的な安心感につながります。

前向きな気持ちでいるために自分を大切に

より良い介護とは、介護を受ける要介護者も、介護人も、そして周りもすべてベストな状態を維持できることです。

介護をしながら仕事を続けていくことは肉体的に非常に大変でしょう。

ですが、肉体的に大変でも、仕事を続けていくことで、気持ちの入れ替えができ、日々の中で成果を味わうことできます。

それが良い循環となり、前向きな介護を続けることができます。

仕事をやめる前に、ぜひ、なんとかあらゆる手段を考えて継続させる道を考えてみてください。