認知症を狙う悪徳業者から親を守る!

近年、高齢者の増加にともない、その財産を狙った悪徳業者も急増しています。

たとえば、「振り込めサギ」など。

悪徳業者は非常にずる賢く、さまざまな方法で高齢者からお金を奪おうと狙っています。

とくに認知症の高齢者はターゲットになりやすく、悪徳業者の餌食になってしまうケースが急増しています。

同居していれば何とか防ぐことができるのですが、心配なのは遠距離介護の場合。

どのようにすれば悪徳業者から親を守れるのでしょうか?

では、詳しくみていきましょう。

狙われやすい認知症の高齢者

軽度の認知症ならば、一人暮らしを続けている高齢者はたくさんいます。

遠距離介護になっている場合、本人の毎日の行動を把握することができません。

ある日、来てみたら、たくさんの羽毛布団が積んであった・・・なんてことも。


妹(あせる)

このたくさんの布団どうしたの?


父(笑顔)

お前たちの分も買っておいてやったぞ


このように本人は、悪徳業者に騙されたこともわかっていないことも。

さらに押入れを開けてみると、使わないマッサージ器やさまざまなものがぎっしり・・なんてことも。

悪徳業者は独自のネットワークをもっていて、狙いを一度定めると次々と別の業者もやってきます。

このような悪徳業者からどうやって親を守れば良いのでしょうか?

日常生活自立支援事業を利用する

日常生活自立支援事業とは、社会福祉協議会が実施している有料サービスです。

利用できる対象者■認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など。 判断能力が不十分になった人が対象。 認知症と診断されていなくても利用できる。
サービス内容■お金の管理
■支払いの代行
■福祉サービスの契約代行
■福祉サービスの情報提供、相談
■商品購入をキャンセルするクーリングオフの手続き
サービス料金■相談は無料。サービスは有料。
■1回 1時間まで1000円。
■書類預かり 月額200円。年間500円 (※各市町村によって料金は異なります)

このようにサービスは有料ですが、金銭管理や各種手続きが不安になった高齢者に代わってさまざまな支援をしてくれます。

日常生活自立支援事業サービスの流れ

■社会福祉協議会に連絡

社会福祉協議会は全国すべての市町村に設置されています。
本人以外でも、家族や、行政の窓口、地域包括センター、在宅福祉サービス事業者を通じて連絡できます。

■相談と打ち合わせ

担当者が自宅や病院、施設に訪問し、希望するサービス提供の相談と打ち合わせをします。(プライバシー厳守)

■支援計画書と契約書の作成

本人の希望に沿った計画書と契約書の作成。

■契約

本人と利用契約を結ぶ

■サービス開始

このような流れで申込み、サービスを実際に開始することができます。

上手に利用したい

日常生活自立支援事業サービスは、有料ですが、離れてくらす親の金銭管理が不安な場合とても便利に使うことができます。

銀行でのお金の引き出しのほか、通帳や印鑑なども預かってもらえます。

ただし、日常生活自立支援事業の利用には注意点があります。

それは・・

「事業の契約内容について判断し得る能力を有している」

ということです。

認知症が進み判断能力がない状態では利用することができません。

このことに注意して、もしも金銭面の管理に不安が生じた場合は、サービスの利用を選択肢に入れてみるのもおすすめです。

悪徳業者の手法は日々進化しています。

これらのサービスを使うことも検討しつつ、大切な財産を守れるようにしてあげましょう。