【介護疲れ原因5】女性介護者に多い「完璧介護」

介護は女性がするもの

このような風潮が今だに残っているようです。

事実、生命保険文化センターの調査によると、「同居している介護者の約7割が女性」という結果に。

なぜでしょうか?

つまり、一般的に「介護とは家族の世話の延長線上」と考えられているからではないでしょうか?

「女性は家事や子供や高齢者の世話を見る役割がある」という認識から、そのままの流れで「介護するのも女性」となってしまうようです。

しかし、介護は日常生活の世話と似ているようで違います。

とくに認知症が重なる場合、今まで経験したことがない予期せぬことがおこります。

その苦労、大変さは決して「女性だからできて当たり前」ということはありません。

では、くわしくみていきましょう。

女性でも辛いものは辛い

「介護は家事や家族の世話の延長線上みたいなもの」という認識が多くの女性を困らせます。

自分の親ではない義理の両親の世話でも、自然の流れで実の息子ではなくお嫁さんが受けもつことになりがちですよね。

たとえ、それまでずっと女性が家事や家族の世話をしてきたからといっても介護はまた別物です。

家事や世話をしてきたからといって決して、「介護は誰にでもできること」ではありません。

家事に慣れている女性でも疲れるものは疲れます。

それなのに、周囲が・・・

「できて当たり前」

と、このように思われてしまうことほど、女性の介護者にとって辛いことはありません。

完璧にしなければ

周囲から、「できて当たり前」と思われることは、女性介護者にとっては「もっと!もっと!」と要求されることと同じです。

そのため、自分の心の中に・・

「完璧にこなさなきゃ」

という気持ちが出てくることに。

つまり、女性介護者が完璧な介護を目指してしまう理由は、「できて当たり前」と思う周囲にも大きな原因があるといえるでしょう。

「良い嫁」、「良い娘」でいる必要ない

このサイトでは繰り返し書いていますが、

誰かを介護する時間も、介護者にとっては人生の貴重な一部です。

周囲の評価を気にして、無理して、我慢して介護をしても、それでは犠牲の時間になってしまいます。

あなたはあなたの時間を過ごすために、周りの評価を気にするのはやめましょう。

「いい嫁」、「いい娘」でいる必要はありません。

完璧から離れる介護を!

では、どのように介護や周囲、そして自分と向き合えば良いのでしょうか?

介護はとても大変だと自覚する

周りがいくら、「できて当たり前」だと評価してきても、自分は同じように思わないようにしましょう。

介護は決して「家事や家族の世話の延長線上ではない」と自分自身が強く自覚をもつことです。

介護者(泣く)

介護はとても大変なこと。絶対に簡単なことじゃない!

このように、まず自分自身で介護の大変さを自覚することで、周りの評価に流されない強い心をもつことができます。

評価を気にせずにマイペースで

人間には誰でも承認欲求というものがあります。

とくに自分に自信がない人に強くある欲求で、つねに他人から認められることで自分の存在意義を見出します。

承認欲求は誰にでもある欲求ですが、強すぎては良くありません。

なぜなら、たとえ他人があなたを評価しなくても、あなたはあなたであり、何も奪われもしなければ、変わることもないのです。

それなのに・・

「評価されたい!」

という気持ちから、頑張れば頑張るほど、当たり前だと思われてしまい正当な評価を受けにくくなるでしょう。

「なぜ自分だけが」という気持ちをもたない

「介護をなぜ自分だけが背負わなければならないのだろう!」

このような被害者意識をもってしまうと、あらゆることがマイナスに傾いてしまいます。

もちろん、頑張っても正当な評価がもらえず、完璧を要求されたら、このように考えてしまうのは無理もありませんよね。

そこで・・

「じゃ、どうすれば、このような被害者意識をもたないですむのか?」

その解決策に目を向けることです。

助けを求める

介護は家事や家族の世話の延長線上ではないことを周囲に伝えましょう。

そのために、自分の大変さを言葉にあらわし、そして助けをもとめることです。

介護者(困った)

大変だから手伝って!私ひとりじゃできない!

このように周囲に声を出して助けを求めてください。

もしも、わかってもらえない時は、一時的に家を飛び出すのも良いかもしれません。

ハードルを作らない

人は目の前に「成長するためのハードル」を置くことで「やる気」というエンジンがかかります。

しかし、介護はちがうようです。

介護のような、いつ終わるのかわからないマラソンの道中にハードルを置いてしまえば倒れてしまうでしょう。

しかも、完璧という名のハードルなんて必要ありません。

「介護は大変なことであり、できていること自体がすごいこと」

という認識をもちましょう。

そのためには、家族以外にも、信頼できる人(介護仲間やケアマネージャー)などに自分の弱音が吐けるようになることです。