介護のうつ状態から離れる方法

自分がうつ状態だと気づき、専門医を受診したとしても、医師や薬に頼っているだけでは改善しません。

また薬を継続して服用するのは副作用が心配ですよね。

しかし、一時的でも薬の力を借りるのは良いと思います。

そこで少しラクになったぶん、自力で立ち上がれるように気持ちをもっていきましょう。

トンネルからいつでも外に出られる

うつ状態になってしまうと、周囲だけでなく自分自身も感じることができなくなります。

自分がわからない

これ以上、辛く、孤独なことがあるでしょうか?

このような時は、まるで出口のない真っ暗なトンネルにひとりで歩いているような気分になりますよね。

しかし、じつはトンネルは自分で作り上げているもの。

いつでも外に出ることができるのです。

気づかないだけで外の世界には喜びが宝石のように輝いています。

勇気を出して、まず小さな喜びを探してみることから初めてみましょう。

大きなものは求めない

うつ状態とは、そもそも「何かをしよう!」という気になれません。

でも、たったひとつでも良いので小さなことから行動をおこしてみましょう。

最初から大きなものを求める必要はありません。

今の自分にできることで良いのです。

■ひたすら歩く

景色を楽しむ必要はありません。

ずっと地面を見続けていてもかまいません。

ただひたすら歩く。

それだけでたくさんのことに気がつくでしょう。

あなたを追い越していく早歩きな人。

途中まで一緒に歩いていたけど、他の道を曲がっていく人。

人だけでなく、歩く道もさまざまです。

歩きやすい平らな道。

歩きにくいボコボコした道もあるでしょう。

つまずきそうになっても、構いません。

あなたはあなただけのペースで歩いていけばそれでOKなのです。

■空や海の写真を撮る

外に出る目的が見つからないのならば、空や海の写真を撮りにいくのはどうでしょうか?

毎日、毎日、空や海の写真を撮り続けます。

写真を撮り続けていくと、似ていても同じ空や海は二度ないことに気づくでしょう。

■ガーデニングをする

小さなプランターで良いので菜園をしてみるのも良いかもしれません。

ガーデニングは土に触れることができるので、五感をほどよく刺激してくれます。

移り変わる自然に触れる

うつ状態になっている時は、心が停滞しています。

動いていません。

そんな停滞した心を再び動かすには、移り変わる自然の様子に気づくことが一番の薬です。

移り変わるのは、空や木や海の色だけではありません。

香りも、肌に感じる温度も、毎日毎日移り変わっていきます。

そんな移り変わる自然の中に、自分ができる形で良いので身を置いてみてください。

最初は何も感じることができなくても構いません。

ひたすら続けていくことが大切です。

さらに良いものを求めにいく

停滞していた心が少しでも動くようになってきたら、今度はさらに良いものを求めて行動してみましょう。

■美術館に行く

絵をボーと眺めているだけでたくさんの発見ができます。

筆者は、絵を眺めるときは、頭の中で画家が実際に眺めていた風景をイメージして楽しむようにしています。

また、人物画であれば、絵の中の人物の視線の先に何があるのか?

このように絵と向かい合いつつ、自分なりに色々と想像してみると楽しいものです。

■コンサートに行く

自分の好きな音楽を生で聴くのは素晴らしいことです。

ライブなどで、スタンディングして周りと一緒に盛り上がるのも良いでしょう。

またクラシックなどのオーケストラは目を閉じ、全身の肌で聴くようにすると違った発見ができます。

■お気に入りのカフェに行く

お気に入りのカフェに行って自分の好きな飲み物をゆっくり味わうのも良いですね。

こだわりあるカフェでは、カップにも気を配っているもの。

そんなカップを眺めならがゆっくりと楽しむことで小さな発見ができます。

介護も今できることでok!

では、介護の場面ではどのようにして小さな喜びを発見していけば良いのでしょうか?

介護に没頭しすぎてしまうと、ドンドン視野が狭くなってしまいます。

「~をやらねば」

と強く思うのですが・・

「できない、できなかった」

この堂々めぐりが、うつ状態になると延々と心を圧迫し続けることに。

この堂々めぐりから離れるには、まず、あれもこれもと思わずに「今できること」をやりましょう。

※掃除のとき・・

介護者(困った)

ああ!こんなに散らかっている!綺麗に片付けなきゃ!

※今できる部分だけする

介護者(にこ)

今日はこの部屋だけを掃除して、あとは明日にしよう


※本人と向かい合うとき・・

介護者(泣く)

お母さんはこのままどうなっていくんだろう・・

※今おもえることだけを思う

介護者(ほ)

そばにいてあげよう、今はそれだけでいい


※外部の人と向かい合うとき・・

母(怒る)

あのヘルパーさん、嫌な感じだわ!話したくない

※ひとことだけでも声をかける

介護者(え)

お疲れ様です

このように今の自分でもできることで良いのです。

小さな小さなことからやっていきましょう。

世界は小さな喜びであふれている

筆者がいつも歩いている公園の石碑にメッセージが彫られています。

「自然こそが病院であり、あなたの2本の足がお医者さんです」

私は体が強い方ではありません。

ですが、この言葉を見て、ウォーキングをするきっかけになりました。

あなたがもしも、うつ状態で悩んでいるのなら、ぜひ、移り変わる自然の中に自分の身を置いてみてください。

そして、自然に、自分の停滞した心を揺れ動かしてもらってください。

世界には私たちが目を向ければ発見できる小さな喜びが隠れているもの。

その喜びは人それぞれであり、そして必ず誰でも見つけることができるようになっています。

介護に追われて少しの時間しか持てなくても、小さな小さな喜びなら発見することができます。

このように自力でうつ状態から離れるためにも・・

「大きなこと」からではなく、「小さなこと」から喜びを発見してみてください。