認知症介護は周りの助けが必須だと認識しておく

認知症の介護はひとりではできません。

とはいっても、なかなか他人を頼るのも難しいものですよね。

なぜなら、たとえ認知症になっても家族にとっては大切な親であり、配偶者ですから、自分ですべてをみてあげたい気持ちになるのは当然のこと。

しかし、身内だからこそ、限界がきてしまうのが認知症という病気なのです。

身内だけで頑張りすぎてしまうまえに、周りの助けが絶対に必要だということを認識しておきましょう。

増加する介護虐待

介護には肉体的負担と精神的負担が大きくのしかかります。

ですから、家族だけでは対応できません。

それなのに、家族だけの介護にこだわるとどうなるでしょうか?

やがて介護人の心身の負担が限界に達してしまうことになります。

とくに精神的負担の処理ができなくなり、それは怒りの感情になってあらわれはじめます。


母(怒る)

ああ・・イライラする・・・

この怒りの感情は、本人に向けられるだけでなく、他の家族に向けられることも・・。

このように介護が限界まで達してしまうと、実際に「介護虐待」という事件がおこる例があるように家族全体が崩壊することもあります。

今は昔とちがう

「介護虐待」に及んだ人はどうして何の支援も受けなかったのでしょうか?

外部からの支援を受けていればこのような悲惨な結果を防ぐことができたかもしれません。

日本ではひと昔前ならば、となり近所が同じ家族のように付き合いお互いを見守ってきました。

しかし、近年は核家族化し、そのような近所付き合いも減ってきています。

そのような核家族化した介護の負担を助けるために生み出されたのが介護保険制度です。

また、認知症や介護に対応する悩みなどを聞いてくれる相談窓口もたくさん設置されました。

昔のように見守り合うことが難しくなった核家族に対して、現在はこれらの制度が新しい助け合いの形なのです。

ですから、無理のない認知症の介護をしていくには、これらの支援を詳しく知り積極的に受け入れていくことが必須なのです。

良き相談者を待つ

まずは認知症のこと、介護全般のことをそれぞれのプロに相談していきましょう。

■医師

■ケアマネージャー

■ヘルパー

■市町村役場の窓口

■地域包括センターの窓口

また同じく認知症の家族を介護している人たちと相談しあうことも大切です。

■町内で行われる会合

このように現在は、昔のように隣に頼る人がいなくても、国の制度、市町村主催の「認知症を抱える家族の会」などに頼ることができます。

このような窓口や、会合に出向くことで必ず良き相談相手をみつけることができるでしょう。

まずは助けを求めることから

支援の制度やシステムが用意されていても、やはり家庭内のことに介入していくのは難しいものです。

ですから、これらの支援を受けるには、まず家族が声をあげなければいけません。


介護者(泣く)

助けてください・・もう疲れてしまって・・

とりあえずは相談から始めてみましょう。

介護は家族だけでなく、外部の支援も受けて「チームで支えていくもの」なのです。